発達障害グレーゾーンの会「ぐれ会!」突撃レポート
前々から気になっていた、発達障害グレーゾーンの会「ぐれ会!」に参加してきましたので、レポートします。
ぐれ会!ってどんな会?
発達障害グレーゾーンの人が集まって話をする会です。
都心部には発達障害の当事者会は多いですが、グレーゾーンの人の会は見たことがありませんでした。
そりゃもう、知ったときから、興味深々でしたよ。
やっと、会えました。
https://www.kokuchpro.com/event/c4a0104f223050a3d578a724e6f92922/
主催者は、オムさん
自らも発達障害グレーゾーンである。
現在、クローズ(職場に発達障害グレーゾーンであることを公開せず)就労している。
その傍ら、積極的な支援活動・講演活動を行っている。
OMgrey事務局のページ
https://smart.reservestock.jp/menu/profile/23160より
・就労している。
・特性があることを職場に公表していない。
・会を運営している。
自分と共通点がたくさんある!と、勝手にシンパシーを感じていました。
メディアにも出演している(その時が仮面をかぶって顔を隠している)のはすごいですね。
話が上手で、とても落ち着いた雰囲気の方でした。
参加者の方々
参加者は約20名!満員でキャンセル待ちの方もたくさんいたそうです。人気。
自分も含めて、初参加の方もたくさんおられました。
姫野桂さんの著書「発達障害グレーゾーン」を読んで来ました、という方も多かったです。
僕も読みました。
姫野さんにお会いしてみたい・・・
会の進行は、こんな感じ
会場を3つのエリアに分けて、3つのグループに分かれて進んでいきました。
それぞれのグループに、主催者オムさんを含む運営メンバーの方が進行役として1名入っていました。
自分もADHD(グレーゾーン含む)当事者会を運営しているので、他の会の進め方は気になるところでした。
https://kokucheese.com/event/index/573014/
参加者の悩み
自己紹介をした後、予め決まっていたテーマについて話をしました。テーマは、「仕事の不安・劣等感・罪悪感」。
ピタリときました。
これは、得意分野だ(笑)!!
話したいことは、山ほどあるんだよ!と思えるなテーマです。
話す気がみなぎります。
参加者の方のエピソード、以下のようなものがありました。
・やり方が決まっている仕事はこなせるのだけど、他の人とコミュニケーションを取りながら新しく創っていくタイプの仕事が苦手。
・1年目は周りの人が気にかけてくれていたので仕事をこなせていたが、2年目はサポートがなくなったので精神的に苦しくなっている。
・職場の人に「自分はこういう所が苦手なので、ご迷惑をかけるかもしれません」という話をした方がいいだろうか。できない部分を見せた方が、ラクになるかもしれない。でも周りの人も大変なのに、自分だけこういうことを伝えてもいいのだろうかと、葛藤している。
・仕事に対して、主体的・積極的な姿勢でいないといけないと思う。でも、する前に失敗するイメージがわいて動けなくなる。手を出したことでミスし、周りに怒られるんじゃない、「余計な事をするな」と注意されるんじゃないかと、不安や恐怖が先行してしまう。
・グループで仕事をしている時、自分だけが空回りしてしまうことがある。それに気付いた時、がっかりした気持ちになる。
・当たり前のことができないことがある。機械の使い方など、ちょっとしたことを忘れたり、わからなくなったりして、他の人から責められる。一度なら大したことはないけれど、何度も積み重なるとダメージがくる。
僕はこんな話をしました。
・仕事を始めて1年目はやらかしまくり、周りがサポートしなければ回らない状態になった。2年目以降は自分のことをよく理解して、自然と助けてくれる人が増えてラクになった。ただ、他の人よりできない自分は、このままでいいのかという気持ちは常にあった。また職場が変わり、「経験者はできて当たり前」という雰囲気があり、息苦しい。周りの人がミスを注意されていると、同じようなことをしてきた(またはこれからするかもしれない)自分も辛くなる。仕事を何とか無難にこなしている雰囲気を醸し出しているけど、気持ちはいっぱいいっぱい。本当はもっと苦手なところもオープンにしたいけど、伝えた方がいいか悩んでいる。
大切なのは環境
会が進んでいく中で、「ある環境なら適応できたけど、別の環境になると難しい。」という話が出ました。
環境には、物理的なものと人的なものとがあります。
今回の話でフォーカスされたのは、人的環境の方です。
中には、「上司が横に座ってくれていて、何でも聞ける」方も。
羨ましい。
「何を聞いてもきちんと答えてくれる。」
「何度聞いても怒らず教えてくれる。」
そういった安心感が、自分の適応力とパフォーマンスを上げるのではないかと。
よくこういう話をすると、「甘い。」と切り捨てられることがあります。
確かに、当事者側の工夫も必要です。
同じことを何度も聞くのは、相手の時間を取ることになりますし、負担になるかもしれません。
初めて聞いたことはメモを取って見返すなどの工夫は必要です。
(話を聞きながらメモを取るのが苦手な方もいますが。)
ただ、聞かないと進まない、いう類の話なら、聞くのが最短です。
それが難しい、聞きづらい環境は、果たして職場全体にとってプラスなのだろうか?という声もあがりました。
歩み寄りが必要ですね。
みんなで話をして、何がいいの?
上記のエピソードについて、解決策を提示するわけではありません。
簡単に解決できるなら、苦労はしないのですから。アドバイスが本人に合わない場合、逆効果になることもあります。
初対面の人も多くいる場所で、プライベートな話をするのは勇気が要ることですし、抵抗があるのが自然です。
では何がいいのかと言うと、
・同じような話が聴いてもらえてすっきりする。
・「それ、あるある!」と他の人の話に共感できる。
・悩んでいるのは自分だけでなないと思える。
発達障害やグレーゾーンの当事者は、普段から思い通りにできなくて、悩んだり責められたりする経験をよくしています。
それによって自信を失い、自己肯定感が低い人が多いのです。
だから、安全な場所で話すことには、意味があるのです。
自己理解を深めることにも繋がります。
社会資源の話
グループでの話を席替えをして計2回した後は、オムさんから社会資源の話がありました。
社会資源とは、生活するうえでおこる様々な問題の解決を担う福祉制度や施設などのことを指します。
就労移行支援事業所やリワークなどの制度や仕組みを、ポイントを抑えてわかりやすく説明されていました。
僕が会を運営していて、参加者の方にこの辺りのことを質問されて答えられなかったことがあります。
「自分が使っていないから、調べてなかった」のです。
私が会を運営していく中で「弱い」と感じていた感じていたところを、ボコボコの知識の穴を、ていねいに埋めてくれるような感じでした。
自分は使っていなくても、もう少し詳しく知っておく必要があると感じました。
ぐれ会!に参加して
気合いを入れて参加したのはいいのですが、テンションが上がって少ししゃべりすぎたかな、と反省しています。
僕が会を運営してきたことにも意味があったな、と客観的に自分の活動を振り返るきっかけにもなりました。
話したいことが、話しやすい雰囲気だったので安心しました。
ぐれ会!が、居心地の良いサードプレイスでありますように。